ハイブリッド型のRPA推進で、効果を最大化(西洋フード・コンパスグループ事例②)
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左:西洋フード・コンパスグループ株式会社 石井 一志氏
右:「パーソルのRPA」 梅田 耕一郎氏
西洋フード・コンパスグループ株式会社様(以下西洋フード・コンパスグループ)のRPA導入事例についてご紹介する記事の後編です。前編では、強いリーダーシップで社内を巻き込みRPA導入を推進されたお話や、人手不足解消に貢献するためのRPA活用事例についてお伝えしました。
続く後編では、自動化する業務選定の方法や業務改善の進め方、今後のRPA活用の展望についてご紹介します。
お話は前編に引き続き、西洋フード・コンパスグループ CIO/情報システム部ディレクター 石井一志氏と、RPAエンジニアとして西洋フード・コンパスグループに派遣されている「パーソルのRPA」梅田耕一郎氏に伺いました。
ボトムアップ型のRPA推進からトップダウン型との併用へ

左:「パーソルのRPA」 梅田 耕一郎氏
右:西洋フード・コンパスグループ株式会社 石井 一志氏
――RPAで自動化する業務はどの様に選定されているのでしょうか。
石井氏:昨年は各部門から代表を1~2名選び、各部門の代表たちにヒアリングを行い、RPAで自動化する業務の候補を上げてもらいました。今年は会社全体をRPAで変えようとしているので、部門単位ではなく、私が会社全体の窓口として自動化の要望を受け付け、どの業務から自動化するのかを決めています。
梅田氏:個人レベルの業務など、業務によってはRPAによる削減効果よりも開発にかかる時間の方が多くなってしまう場合もあります。自動化の要望は多いので、その中からどう優先順位をつけるかが重要です。
石井氏:今は現場で困っているという作業をそのままRPAで自動化しようとする改善が多くなっていますが、本来であれば業務自体・仕組み自体を変えた方が良い場合もあります。現場から困っている作業をコツコツ改善していくボトムアップ型が日本のカルチャーには合っていますが、トップダウンでも進めていかないと本当の意味での効率化や目標達成は難しいかもしれません。
上層部が会社としてここにフォーカスする、やり方はこう変えるべきだと方針を出した上でRPAで自動化出来ると1番効果が出ると感じます。今後は今までのボトムアップ型でのRPA推進と並行して、トップダウンで課題を根本から解決していくハイブリッド型で進めていきます。
RPAの社内展開を加速するために

左:「パーソルのRPA」 梅田 耕一郎氏
右:西洋フード・コンパスグループ株式会社 石井 一志氏
――RPA推進における今後の課題があればお聞かせください。
梅田氏:RPAによる自動化要望書をテンプレート化したいというのが1つです。今は要望の出し方や動きが部門によって異なります。テンプレートがあることでまだ要望を出したことがない人も要望を出しやすくなりますし、情報の過不足もなくなるので優先順位付けや開発も行いやすくなります。
石井氏:RPAロボットを使い業務を行うビジネス部門側にもRPA開発スキルをもった人材を増やしたいです。ビジネス部門側でRPAロボットのメンテナンスが出来るレベルにしたいと思っています。
今は開発者が限られており、RPAロボットの数もそこまで多くないですが、今後ライセンスを増やしRPAロボットの数が増えてきたら管理も重要になります。その時は正しいガバナンスモデルを作るために、「パーソルのRPA」さんにサポートいただきたいと思っています。
会社の変化をRPAで後押ししたい

西洋フード・コンパスグループ株式会社 石井 一志氏
――今後のRPA活用の展望については、どの様にお考えでしょうか。
石井氏:テレワークの普及や労働人口の減少に伴い、給食ビジネスは今までのやり方を変えなければいけないと思います。ビジネスモデルを変えるぐらいの勢いが必要です。デジタル技術を使って変えるというのが会社の大きな目標の1つですので、RPAでも会社の変化に貢献したいと考えています。
もう1つは、RPAを利用してより魅力的な会社作りを行いたいです。従業員がRPAのような新しいことに挑戦したいと思える会社にしたいですね。興味を持ってやる気があれば実際にチャレンジ出来る環境がある会社はとても魅力的だと思います。
また、西洋フード・コンパスグループでRPA人材が育ったら、他社にもRPAサービスを提供するという夢があります。今はRPAで業務を削減して間接的に利益を出しています。RPAによる業務効率化を請け負い、直接利益を出すようなビジネスモデルが出来たら面白いと思います。
まとめ
RPAをどう使いたいのか、会社をどうしたいのかというビジョンを描くのはその会社で働く社員です。一方で、実際に描いた姿を目指す際は、会社の社員だけにこだわる必要はありません。西洋フード・コンパスグループのように、専門家の力を借りてRPA人材を確保したりベストプラクティスを取り入れたりすることは、成功への近道と言えるでしょう。
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