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【UiPath 開発者向け】美しいロボットの作り方 vol.02
~シーケンスとフローチャートの使い分け~

RPA開発者の皆さんお疲れ様です。
皆さん、美しいロボットは作れていますか?
プログラミングにおけるいわゆる美しいとは、ソースコードの書き方が統一されていて他の人が保守しやすいように整理されていることを指します。
さて、RPAにおける「美しい」ロボットとは何でしょうか?
アクティビティ数が少ない、処理が速い、止まりにくい、他部署へ展開しやすい…。
いろいろな観点がありますが、ここでは「見やすさ」という点に注目したいと思います。
「見やすさ」というのは保守のしやすさや、他の人が理解しやすいことを指します。
ロボットの引継ぎや自作のロボットを久しぶりに見たとき、処理が見やすいと理解や説明にかかる時間を短くすることができます。
本コラムでは弊社研修でよく質問されることを中心に、美しいロボット作成のヒントをご紹介していきます。
前回は[条件分岐]と[フロー条件分岐]の違いについてご紹介しました。
>>前回の記事はこちら【UiPath 開発者向け】美しいロボットの作り方 vol.01

[シーケンス]と[フローチャート]の違い

UiPathにはワークフローの種類がいくつかありますが、今回はその中から使用頻度の高い[シーケンス](※注1)と[フローチャート](※注2)の使い分けをご紹介します。
配置できるアクティビティの種類に若干の違いはありますが、処理を内包する枠組みとしての役割はどちらも同じです。
大まかな選定基準となる違いは以下です。

[シーケンス]と[フローチャート]の違い

■[シーケンス]
 ・具体的な処理の作成に使用
 ・ある程度まとまった処理をグループとしてまとめることも多い

■[フローチャート]
 ・処理の大まかな流れを記載するのに使用
 ・複数の分岐など処理の流れが複雑な場合に使用すると見やすい

[フローチャート]を使う場合

[フローチャート]は配置されたアクティビティを処理の順に矢印でつないでいくので、処理の流れを理解しやすくなっています。
そのため、一番大きいワークフローの種類は[フローチャート]を使用すると、そのロボットの大まかな処理の流れを理解しやすくなります。
ロボットの引継ぎや説明の時に、UiPathの知識がない人にも処理の流れが理解できるくらいの粒度で記載するのが一つの目安となります。
また、複雑な分岐処理が連続する場合も[フローチャート]を使用するのが適しています。
[シーケンス]と異なり自由にアクティビティを配置することができるので、複雑な処理も整理しながら作成することができます。
注意点は、「[フローチャート]上に細かい処理を置きすぎない」ことです。
クリックや文字入力など具体的な処理を記載するとワークフローが長くなり、かえって処理が追いづらくなることがあります。
細かい処理はある程度のまとまりで[シーケンス]にまとめて配置し、それらを[フローチャート]上で接続するイメージで作成しましょう。

[シーケンス]を使う場合

[シーケンス]は配置されたアクティビティを、上から順番に実行していくシンプルなワークフローです。
ある程度の関連がある処理を一つの[シーケンス]内にまとめると、後々見たときに処理が分かりやすくなります。
 例)特定のWeb画面上にある複数の入力欄すべてにテキストを入力、
   特定Excelファイルへの書き込み処理、など

[シーケンス]上には通常アクティビティが開いた状態で配置されるため、操作画面の対象箇所のスクリーンショットを確認することができます。
実際の操作画面と同様の画像を確認できるので、具体的な処理を直感的に理解することができます。

注意点は、「分岐・ループを入れ子にしすぎない」ことです。入れ子が深いとどの条件の処理を作っているかが分かりづらくなり、処理の漏れや想定と異なるところにアクティビティを配置してしまう場合があります。
分岐・ループの入れ子になりそうなときは[フローチャート]への切り替えも検討してみてください。

まとめ

UiPathでの開発に慣れてくるまでは、一番大きなワークフローと処理が複雑化するときは[フローチャート]、具体的な細かい処理は[シーケンス]を使用すると考えてください。
開発に慣れてきたら自分のスタイルに合わせて、分かりやすいロボットの作成を心掛けてください。
次回は、[繰り返し(コレクションの各要素)]の効果的な使い方にについてご紹介します。
※1:シーケンスとは
 UiPathのワークフローの一つ。簡単な処理に向いている。
※2:フローチャートとは
 UiPathのワークフローの一つ。複雑な処理や大規模開発に向いている。

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