RPAロボットを管理するために必要なこととは? 開発時に注意するポイント
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RPA導入が決まりツールの選定や自動化する業務の選定が終わり、いよいよロボットを開発しようという時、まず何から手をつければ良いのでしょうか。
まずは、RPAロボットを管理する体制作りを進めましょう。RPAのロボットは開発したら終わりではなく、開発した後、業務を自動化し続けることが求められます。そのためにはロボットを適切に管理する必要があります。
今回の記事では、RPAロボットを管理する上で問題となる点と、管理出来るRPAロボットを開発するために必要なことについてご紹介します。
RPAロボットを管理する上で問題となる点

RPAロボットはエンジニアだけでなく、現場の担当者が開発をする可能性があります。また、人によってはRPAツールの操作方法を習得するのにそれほど時間がかからないため、ルールを明確にしないまま開発に取りかかることも可能です。そうすると、次のような問題が発生する場合があります。
RPAロボットの品質にばらつきが出る
RPAロボットは既存のシステムと比べて短期間で開発出来ることから、従来のウォーターホール型(段階的な工程に分けて順に開発を行う)でなくアジャイル型(実装とテストを繰り返しながら短期間で開発を行う)の手法を用いることが一般的です。そのためエンジニアでなくてもRPAロボットを開発することが可能です。しかし、ルールを決めないまま開発を進めてしまうと、RPAロボットの品質にばらつきが出ることが考えられます。
野良ロボットが発生する
担当者の異動や退職などにより、RPAロボットの仕様が分からなくなってしまったり、エラーが出た時に修正出来なくなってしまうことがあります。
また、適切に管理出来ない状態が続くことで、重要なデータを勝手に書き換えてしまう、顧客にメールを送り続けてしまうなどの「野良ロボット」化するリスクがあります。
開発ルールを策定し、ドキュメントを作成しておく

RPAロボットの品質を一定に保ち、野良ロボットが発生するリスクを防ぐためには、あらかじめ開発ルールを策定し、開発のフェーズごとに作成するドキュメント作成ルールも策定して順守する必要があります。
既存のIT統制ルールの中にRPA開発ルールを構築する
RPAは従来のシステムに比べ、比較的簡単に修正出来ることが特徴です。しかし、既存のIT統制ルールをそのままRPAに適用してしまうと、修正フローに時間がかかり、RPA本来の良さが活かしきれなくなってしまいます。だからといってIT統制ルールとは別に新しくRPAのルールを作ってしまうと運用が複雑になる可能性があります。
そこで、すでにあるIT統制ルールの中に組み込む形でRPAのルールを構築してみましょう。既存のルールとのバランスを取りながら、簡素化出来るところは簡素化することで、統制レベルを下げないまま、RPAの良さを活かすことが出来ます。
使用するRPAツールやシステムの特性などの詳細についても開発ルールの中に記載するようにし、社内で共有します。開発されたRPAロボットの品質レビューや順守状況のモニタリング、改善プロセスなども併せて検討すると良いでしょう。
ドキュメントを作成する
開発のフェーズごとにドキュメントを作成します。通常のシステム開発の際に作成しているものをベースとして、RPA開発に合わせたテンプレートを用意しておくと便利です。
必要なテンプレートが一目で分かるように、あらかじめ一覧にしておきましょう。
【必要なテンプレートの例】
・要件定義書
・仕様書
・テスト計画書兼結果報告書
・リリース判定チェックリスト
これらのテンプレートに加え、さらに以下のようなドキュメントがあるとRPAロボットについてのより詳しい情報が共有出来るため、開発の際に現場とのコミュニケーションが取りやすくなります。
・ロボット一覧
・ロボットバージョン一覧
・ロボット概要図
・業務フロー図
・ロボットI/O表
・開発標準
・エラー一覧
・開発TIPS
>>【参考】RPA導入後の悩み!これから作るロボ、どうやって管理する?
社内でRPAロボットを管理する体制を作っておく

開発ルールを策定して社内で共有し、事前に必要なドキュメントを作成したら、それらを管理する体制を社内に構築する必要があります。
RPA推進担当者や開発担当者、情報システム部門や現場部門で連携を取りながら、適切に管理出来る方法を見つけるようにしましょう。
開発ルールを策定する時、ドキュメントを作成する時、RPAロボットを開発する時のそれぞれのフェーズにおいて管理責任者や担当者を明確にしておくことをおすすめします。
まとめ
エンジニアでなくても開発や修正が出来るとして注目されているRPAですが、品質のばらつきや野良ロボットなどのリスクを回避し、適切に管理するためにあらかじめルールを決めておく必要があります。関係する部署との連携を取りながら必要な統制レベルを保ちつつ、時間や手間がかかりすぎない方法を模索することで、RPAならではの良さを活かすことが出来ます。
せっかく開発したRPAロボットが途中で使えなくなることを防ぐために、事前に準備しておくことを心がけましょう。
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