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RPAとExcelマクロの違いとは?

近年業務自動化ツールとしてRPAがブームですが、RPAブーム以前から使われている業務自動化ツールとしてはExcelマクロが有名です。定型業務の自動化を実現する2つのツールですが、どのような違いがあるのでしょうか。またどのように使い分けるのがよいのでしょうか。

今回の記事ではRPAとExcelマクロの違いについてご紹介します。
RPAとExcelマクロ、どちらで自動化するか使い分けにお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

ExcelマクロとVBA

本題に入る前に、ExcelマクロとVBAについて確認しましょう。
ExcelマクロとはExcelで行う作業を自動実行できるように作られたプログラムのことです。Excelマクロを実現させるため、Excelに搭載されているプログラミング言語をVBA(Visual Basic for Applications)と言います。
Excelマクロで自動化する作業はVBAによって記述されます。

RPAとExcelマクロの違い

1.RPAは適応範囲が広い

定型業務の中には、システムからファイルをダウンロードする、データを加工する、システムにデータを登録するなど、さまざまな種類の作業があります。

RPAはPC上の作業であれば、基本的に制限なく自動化できます。人の操作を真似するため、デスクトップアプリケーション、ブラウザ、ファイルなど、あらゆるものを取り扱えます。

またExcelマクロの実行もできます。Aシステムから繰り返しデータを取得するといった自動化はもちろん、Aシステムからデータを取得し、Excelで加工、さらにBシステムとCシステムにデータを反映するなど異なるアプリケーションを連携させることができ、業務の一連の流れをまとめて自動化することも可能です。

一方、Excelマクロはというと、操作できるのは基本的にはExcelです。
Excel単体で完結する作業の自動化であれば、RPAもExcelマクロも大きな違いはありません。
なお、VBAを使えば、WordやPowerPoint、Microsoft EdgeといったVBAに対応するアプリケーションの自動化も可能です。

2.RPAはプログラミング言語を知らなくても自動化できる

全員が高いITスキルを持ち、プログラミング言語を習得しているという職場はごくわずかです。プログラミング言語を習得している人が一人もいない職場の方が大多数でしょう。

RPAはRPAツールの操作により、自動化する動きを記録します。RPAツールには、テキスト入力、クリック、判断、繰り返しといった多数の操作部品が用意されており、それらの部品を組み合わせることで作業の記録が可能です。

人が操作部品を組み合わせなくても、PC上で業務手順通りに操作するだけで、RPAツールが適切な操作部品を選んで作業を記録してくれるものもあります。細かい調整や複雑な処理を自動化する際に、一部Excel関数に似たものや、プログラミング言語に近い記述が必要になることもありますが、利用パターンは限られます。

そのためプログラミング言語を習得していない人でも十分に使いこなすことができます。

一方でExcelマクロは、前述の通りVBAというプログラミング言語により、自動化する作業を記録します。マクロの記録機能を使えば、プログラミング言語を習得していない人でもマクロを作成できますが、細かい調整や複雑な処理に対応するにはやはりプログラミング言語の習得が欠かせません。

3.RPAは処理の流れが分かりやすい

1度業務を自動化してもそれで終わりとは限りません。業務フローが変わった時や、システム変更があった時にはメンテナンスが必要です。その時、自動化した人ではなく後任者がメンテナンスを行うことも考えられます。

RPAではRPAツール上にフローチャートのような形で処理内容が表示されます。操作ごとにどのような操作を行っているのかコメントをつけたり、画面イメージを表示させたりもできるので、その業務を自動化した人ではなくても、処理内容をイメージしやすくなっています。

Excelマクロの場合は、処理内容はプログラミング言語で記述されているため、どのように処理を自動化しているのか理解するにはプログラミング言語から解読しなければなりません。

まとめ

RPAとExcelマクロは両者とも定型業務を自動化するツールですが、RPAを使うことで、より広い範囲の業務を自動化できます。

また、RPAであればプログラミング言語を習得しなくても十分に使いこなせるため、高度なIT人材が不足しがちな職場でも取り入れやすいツールです。

一方Excelマクロは高いプログラミングスキルが必要ですが、Excelは長年利用されており、関数を組んだりマクロを使ったりと効率化が進んでいることも多いと思います。すでに効率化されている部分をわざわざRPAに置き換える必要性は低いです。

RPAもExcelマクロもツールを使うことが目的ではありません。うまくツールを組み合わせて業務効率化を目指しましょう。

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