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経理BPOとは?導入メリットやサービス会社の選び方を詳しく解説

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経理は、簿記や会計などの専門的な知識が求められるため、採用難に陥りやすい分野です。「経理専門の人材育成がうまくいかない」「ベテランの経理担当者が退職してしまった」など、人材不足に悩む企業も多いでしょう。

そこで注目されているのが、経理業務のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)です。

本記事では、経理BPOの定義や、導入のメリット、サービス会社の選び方について解説します。

経理業務のBPOとは


経理BPOとは、日常的な業務から月次業務、決算まで、経理業務のプロセスを外部に委託するアウトソーシングサービスです。

そもそもBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、業務プロセスの一部を外部の専門業者に委託することで、業務の効率化やコスト削減を図る手法を指します。

一般的なアウトソーシングとは異なり、個々の業務をアウトソースするのではなく、業務プロセスそのものを委託する点が特徴です。

経理BPOでは、単なる経理業務の代行に留まらず、業務フローの効率化や、経理部門のDXに向けたコンサルティングなど、一気通貫でのサポートも受けられます。

近年、インボイス制度の導入や、電子帳簿保存法の改正により、経理業務を取り巻く環境は大きく変化しました。

外部の専門人材を活用し、手間のかかる経理業務を一括でアウトソースできる経理BPOは、大きな注目を集めています。

 

 

経理BPOの種類

経理BPOには、オフサイト型(センター型BPO)、オンサイト型(常駐型BPO)という2種類のサービス形態があります。

それぞれメリット・デメリットがあるため、自社の目的に合ったBPOサービスを選ぶことが大切です。

 

 

経理BPOで委託できる業務

経理BPOで委託できる業務には、以下のようなものがあります。

 

経理BPOを導入するメリット

経理BPOを導入するメリットは5つあります。

  • 人材不足を解消できる
  • コストを削減できる
  • コア業務に注力できる
  • 不正防止につながる
  • 広範囲な業務を一括で委託できる

 

人材不足を解消できる

経理業務は専門性が高く、人材不足に陥りやすい分野です。

特に中小企業では、経理部門をはじめとした事務職が不足している割合が25.0%に達しており、深刻な課題となっています(※)。

経理BPOを導入すれば、簿記や会計などの実務経験が豊富な人材を、必要なときに必要なだけ確保できます。

例えば、決算の時期や年末調整が忙しくなる時期など、社内のリソースが不足しやすい繁忙期のみ、経理BPOを利用することも可能です。

 

※中小企業庁「2025年版 中小企業白書」p133
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2025/PDF/chusho/00Hakusyo_zentai.pdf

 

 

コストを削減できる

外部のリソースを活用することで、経理の専門人材の採用・研修にかかるコストを削減できます。年間の業務時間も大幅に削減されるため、残業代などの人件費の抑制にもつながるでしょう。

また、経理部門のIT化が進んでいない企業の場合、BPOの活用により、会計システムや経費精算システムなどの導入費用も不要になります。

 

コア業務に注力できる

日常的な業務をBPOサービスに委託すると、経理部門のコアメンバーが、より戦略的な業務に注力しやすくなります。

例えば、財務状況の分析や資金調達、経営戦略のサポートなど、事業の成長につながるコア業務に、多くの時間やリソースを投入することが可能です。

 

不正防止につながる

不正会計を防ぐには、経理業務を同一人が担当するのではなく、複数の担当者が相互にチェックし合う仕組みを作ることが大切です。

経理BPOを導入すれば、外部の専門家によるチェックが加わるため、ガバナンスの強化につながります。

また、経理BPOサービスには、税理士や公認会計士が在籍しているのが一般的です。

改正電子帳簿保存法やインボイス制度はもちろん、今後の法改正に対しても、専門家の視点から適切なアドバイスを得られるでしょう。

 

広範囲な業務を一括で委託できる

一般的な業務アウトソーシングでは、請求書発行など特定の業務のみを切り出して委託するケースが中心です。

一方、BPOサービスは業務プロセス全体を委託対象とするため、より広範囲な業務をカバーできます。

例えば、債権管理業務であれば売上計上から与信管理まで、経理に関わる一連の業務を丸ごと専門家に任せることが可能です。

 

 

 

経理業務のBPOサービスを選ぶときの3つのチェックポイント

経理BPOサービスを選ぶに当たって、以下の3つのポイントを比較検討しましょう。

  • 対応している業務範囲
  • 委託費用
  • セキュリティ対策

 

対応している業務範囲

経理BPOサービスによって、委託できる業務の範囲が異なります。

例えば、記帳や給与計算など、特徴の業務にのみ対応しているサービスもあれば、経理業務全般をアウトソースできるサービスもあります。

委託したい経理業務に対応したBPOサービスを選ぶことが大切です。
事前に経理BPOを利用する目的や、経理部門のボトルネックとなっている課題を明確化しておくと、サービスの選定に役立ちます。

 

委託費用

コスト削減を目的としてBPOサービスを導入する場合は、委託費用もチェックしましょう。

一般的な経理BPOサービスでは、委託する業務量に応じて費用が変動します。

例えば、記帳代行を依頼する場合、月間の仕訳件数に基づいて料金が決まります。

BPOサービスを利用することで本当にコスト削減につながるのか、事前にシミュレーションを行うことが大切です。
2~3社に相見積もりを取っておくと、予算に合ったサービスが見つかりやすくなります。

 

セキュリティ対策

経理BPOサービスに共有する情報には、従業員の個人情報や取引先企業の情報など、機密性の高いものも含まれます。

そのため、プライバシーマークやISMS認証を取得しているなど、情報セキュリティ対策が万全な事業者を選ぶことが大切です。

特にオフサイト型のサービスは、BPO事業者が社内に常駐せず、管理者の目が行き届きにくいため、情報漏えいや不正アクセスへの対策が講じられているかをよく確認しましょう。

 

 

 

まとめ

経理BPOとは、アウトソーシングサービスの一種で、経理業務のプロセスを丸ごと外部に委託することを指します。

経理BPOを利用して得られるメリットは、人件費の削減や人材不足の解消、不正会計の防止に加え、一般的な業務アウトソーシングより広範囲の業務を一括で依頼できることなど、さまざまです。

また、経理部門のコアメンバーがより重要な業務に注力できるようになり、企業の競争力強化につながります。

経理BPO事業者によって、対応している業務範囲や委託費用が異なるため、自社に合ったサービスを選ぶことが大切です。

加えて、アウトソーシング先での情報漏えいを未然に防ぐため、情報セキュリティ体制もしっかりチェックしましょう。

▼導入事例はこちら▼

>>経理業務BPRと法令対応(インボイス制度・電子帳簿保存法)に向けた属人化解消、システム導入を実現

ご支援実績 紹介

こちらでは弊社のご支援実績の一部をご紹介いたします。

ご支援の概要

業種業態:建設業(造園工事等)
事業規模:従業員350 名
支援期間:1 年

  • BPO可否測定:3 か月
  • システム選定:2 か月
  • インボイス対応・経理BPR/BPR:7 カ月(運用定着支援:2~3 か月を含む)

背景

経理業務のBPO化を見越して人材派遣サービスを導入したものの、BPOへのスムーズな移行が困難な状態。
また、インボイス制度・電子帳簿保存法対応に伴い、今後の業務ひっ迫も予想されていた。

課題

  • BPO化に向けた経理業務の既存プロセスの見直しおよび効率化・標準化 以下、BPR)
  • 法令対応

ご支援内容

  • 業務可視化
  • BPO受託範囲拡大に向けた、BPO業務の受託難易度の測定・BPR観点の経理知見の共有
  • 円滑な法令対応に向けたシステム導入

成果

1. BPO可否測定

  • 経理部担当業務のうち、BPO対象となりえる業務について業務一覧表を用いて可視化し、BPO委託可能な業務を整理。
  • BPO受託可能業務の想定工数を算出し、適正なBPOスタッフ要員数を算出。
  • BPO委託が難しいと判断された業務について、BPO受託範囲拡大に向け委託条件を整理。

2. インボイス対応・経理BPR(運用定着支援を含む)

  • 事業形態にあわせたシステム選定から導入時の業務フロー再設計、導入後の定着支援までをトータルで支援。
  • システム導入により、インボイス制度対応に係わる一部業務の自動化、リスクの高い本社の小口現金の一部廃止など、業務効率化を実現。
  • ユーザー部門向けに、システムのPC 、スマホアプリでの操作マニュアル、ビデオマニュアルの全10 マニュアルの作成や各拠点への訪問・説明等の運用定着支援を実施。
  • パーソルグループの株式会社アヴァンティスタッフともに業務調査から課題整理、BPR 、人材ソリューションの提供までを一気通貫で支援。

 

ご支援内容の詳細 ― 建設業界における経理業務のBPO化支援実績

背景・課題

本事例のご支援先では、人員の異動に伴い経理業務の業務改善改革(BPR)の手段としてBPO化を検討していました。

しかし長年の歴史を経て業務の属人化が進んでいたためにBPOへのスムーズな移行が困難(課題を見つけることが課題の状態)でした。

そこでBPOへ移行するための経理業務の業務改善と業務切り分けの見直し、同時に喫緊に迫ったインボイスや電子帳簿保存法の法令対応に取り組みました。

 

業務改善 改革(BPR)

BPO化を含む業務改善 改革(BPR:業務プロセス再設計)を実施するにあたり、主に下記3点を実施しました。

※BPRとは、既存の業務プロセスを見直し効率化と標準化を図る手法です

  1. 業務可視化 BPO業務の受託難易度の測定
  2. BPR観点の経理知見の共有
  3. 法令対応に向けたシステム導入

 

1.業務可視化 BPO業務の委託難易度の測定

既存の経理業務全体の流れを可視化すべく、先方に伺って経理部や事業部の経理業務担当者に現状をヒアリング・属人化されていた業務を可視化し、業務一覧表を作成しました。

このプロセスにより、各業務の内容(業務の手順や工数、担当者および関連事業部、適切なスキルレベル等)が明確になり、外部に委託可能な業務を判断するための基礎が整いました。

 

2. BPR観点の経理知見の共有

可視化した経理業務に対し、経理知識 経験・ガバナンスの観点からBPOの効果最大化にむけた課題の洗い出しを行いました。

その結果BPO受託が難しいと判断した業務のうち最大78%を受託できるようなBPO受託条件を整理し、BPO化に向けた業務の標準化に着手可能な状態を実現しました。

 

3. 法令対応に向けたシステム導入

プロジェクトの実施期間に重なっていたインボイス制度の開始と電子帳簿保存法への対応に向け、対応の抜け漏れを防ぐと同時に、法令対応に伴う業務ひっ迫を最小限に抑えるため、システム導入による業務の自動化・効率化を行いました。

導入したシステムを最大限に活用できるように運用ルールを整備するとともに、現場社員の要望や懸念点を吸い上げながら業務フローの再設計や導入後の定着までを伴走し、システム操作マニュアルの作成や拠点への訪問説明・システムに関する問合せ対応を実施、現場へのスムーズな定着を支援しました。

成果・お客様からの声

パーソルグループ内で連携し、業務BPRから人材ソリューション提供までを一気通貫で支援したことにより、目の前の法令対応や属人化の課題を解消しつつ、将来的なBPO化への道筋を明確にすることが出来ました。

また業務マニュアルの作成など業務標準化の土台を構築したことにより、「業務内容がシンプルになった」、「業務経験を活かしやすくなった」、「業務担当者の精神的な負荷が減少した」といったお声をいただきました。

さらに業務が共通認識されたことで、「経理情報を経理部門と事業部で共有できるようになり同じ情報を見ながらコミュニケーションを取れるようになった」といった声もいただいております。

▼導入事例はこちら▼

>>経理業務BPRと法令対応(インボイス制度・電子帳簿保存法)に向けた属人化解消、システム導入を実現

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