統合人事システム「COMPANY」の保守期限切れに、高い専門性と綿密な連携で対応。大規模バージョンアップと安定稼働を実現
- 人事DXコンサルティング
- DX推進
- 業務推進
- 人事
- システム改修・公開
- DX企画・推進
- データ活用
- 業務改善・業務変革

- 会社名
- パーソルホールディングス株式会社
- 業種
- 労働者派遣事業・有料職業紹介事業等の事業を行うグループ会社の経営計画・管理並びにそれに付帯する業務
- 規模
- 72,905名(連結・2024年3月31日時点)
パーソルホールディングス株式会社では、長年運用していた統合人事システムの保守期限切れが迫っていることを受けてシステムのバージョンアップが急務になっていました。自社のみならずグループ約30社とシステムベンダーであるWorks Human Intelligence社(以降、WHI社)を巻き込む大規模プロジェクトを推進するために、同社はパーソルワークスイッチコンサルティング(以下「ワークスイッチ」)の人事DXコンサルティングを導入。
その結果、無事に新システムへのバージョンアップを完了させるだけでなく、本番稼働後に障害が全く発生しなかったことで経営陣 とグループ各社のユーザーの皆さまから高い評価を受けることもできました。本プロジェクトの概要や成果創出のポイントについて、業務ワーキンググループの統括プロジェクトマネージャーとチームリーダー、およびワークスイッチのコンサルタント4名に伺いました。

- プロジェクト概要
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●グループ約30社、約4万人が利用する統合人事システムの保守期限切迫に伴う大規模バージョンアップ
●PMO※導入により100名規模のプロジェクトを円滑に進行
●グループ会社の人事担当者向け説明会のファシリテーション
●本番稼働後に発生する年次業務運用のフォロー
※プロジェクトマネジメントオフィス。プロジェクトマネージャーに伴走し、プロジェクト推進における進捗・課題管理だけではなく、課題解決施策の提案や関係者調整、各種資料作成や会議・説明会の設計・ファシリテーションまであらゆる対応を担当
関連サービス
導入ストーリー/インタビュー
インタビュー対象者

ワークスイッチとのプロジェクトが発足した経緯
梅田 愛氏(以下、梅田氏)
「当グループで10年以上にわたって活用してきた統合人事システムの一部が1年半後に保守期限を迎えることを受けて、システムのバージョンアップをする必要に迫られていました」
荻原 健志氏(以下、荻原氏)
「当時の統合人事システムが稼働してからもグループ会社の設立や統廃合が多数あった影響で、単に既存システムの環境を新しい環境に移行させればよいわけではないという状況でした。加えて、現場からは人事業務の業務効率化を訴えるさまざまな要望もあがってきており、それらの優先順位をつけたうえで並行して取り組まなければならなかったのです」
梅田氏
「統括プロジェクトマネージャーである私自身はベンダーやIT部門とのやりとりに時間を割くであろうと見込んでいたので、人事部門内の進捗管理やプロジェクトマネジメントをお任せできるPMOを導入することは最初から決めていました。ワークスイッチは前回も支援してくださっていて、各社の特徴をよく把握されているので安心して依頼できました。実際に相談すると迅速に今回のプロジェクトを立ち上げてくださり、とても心強かったです」

プロジェクト体制図・プロジェクトタスク
プロジェクトの実施内容
仲川 由加里氏(以下、仲川氏)
「要件定義からシステム構築、動作検証、本番稼働までを約1年半で遂行しました。また、スムーズに新システムを本番稼働させるためにマニュアルのリプレイスやグループ各社の人事担当者向け説明会のファシリテーションなども行いました」
萩原氏
「要件定義フェーズでは、運用中のバージョンと新バージョンとの機能差分をシステムベンダーであるWorks Human Intelligence社(以降、WHI社)と連携しながら精査していただきました。新バージョンに移行してもできるだけ現状の操作性を損なわずに同じ機能を使いたいと考えていたので、WHI社から具体的な情報を粘り強く収集しながら要件を固めてくださってありがたかったです」
梅田氏
「COMPANY※という統合人事システムの知識と人事業務の知識を兼ね備えているワークスイッチが介在してくださったおかげで、スムーズに要件を固められたと思っています」
※COMPANY…株式会社Works Human Intelligence社が提供する統合人事システム
深田 紘氏(以下、深田氏)
「本番稼働をしてから半年間ほどは運用フォローに入り、システムの安定稼働を見届けました。私が担当した給与/社保の領域はさまざまな種類の年次業務があるので、それらを無事に対応できるよう支援しました」
三駄 直美氏(以下、三駄氏)
「深田さんは給与担当者としての実務経験をお持ちとのことで、実務の細かい部分までフォローしていただきました。私は時短勤務かつ他業務も兼任していたのでプロジェクトに携わる時間が限られていたのですが、ワークスイッチが的確にタスクの担当割り振りをしてくださったので自分がやるべきことに集中して取り組めたと感じています」

写真:左から
パーソルホールディングス株式会社 三駄 直美氏 パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 深田 紘氏
プロジェクトの成果
梅田氏
「統合人事システムの大規模バージョンアップ(COMPANY ver.8アップデート)は保守期限を迎える前に無事達成できました。何と言っても嬉しかったのは、バージョンアップ後の監視期間でシステムダウンや主要機能エラー発生等の重大な障害が0件だったことです。各所で検証を繰り返して課題を一つひとつ解決していったからこそ、高い品質でバージョンアップできたのだと思います。この点は経営陣からも評価していただけて安堵しています」
三駄氏
「本番稼働をしてから、グループ会社も含めて特に大きな問題は発生していません。喜ばしいことなのですがあまり慣れない状況なので、つい『こんなに問い合わせがなく静かな状態で本当にいいのだろうか……』と不思議に思ってしまいますね」
萩原氏
「新バージョンの統合人事システムに合わせた形でのマニュアルのリプレイスにご対応いただけたのも本当に助かりました。膨大な量の改修をお願いしたのですが、どれもきめ細やかな内容に整備してくださいました」
梅田氏
「当社のメンバーは担当業務のスペシャリストである一方で、業務内容を他者にわかりやすい形で言語化することを苦手とする傾向がある方も職種性質上多くいます。私どもだけでマニュアル改修をしていたら、十分な質・スピードでアウトプットを出せなかったでしょう。この他にも私どもの不得意分野とする領域のタスクを高い品質でご対応いただく場面が多々ありましたので、ワークスイッチにPMOとして参画していただけて本当に良かったです」

写真:左から
パーソルホールディングス株式会社 荻原 健志氏 パーソルホールディングス株式会社 三駄
直美氏 パーソルホールディングス株式会社 梅田 愛氏
成果創出のポイント
望月 亮輔氏(以下、望月氏)
「複数の業務ワーキングチームが動く大規模プロジェクトを円滑に運営し、トラブルやリスクを未然に防ぐためには、チーム単位の動きとプロジェクト全体の動きの双方を的確に把握する必要があります。ですから、統括PMOとしてチームを横断する課題やタスクも率先してキャッチアップするよう心がけました」
宮前 優里華氏(以下、宮前氏)
「担当チームの業務領域に深く入り込んで支援することはもちろん大切ですが、プロジェクトが進むにつれてチーム間で綿密に連携しながら動くことの重要さも増していきましたね」

写真:左から
パーソルホールディングス株式会社 萩原 健志氏
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 宮前 優里華氏
仲川氏
「チーム間の綿密な連携を取るうえで特に効果的だった取り組みは、プロジェクト中盤から週次定例の進め方を変えたことです。それまでの関係者全員が一同に会する定例では梅田様と望月、私といった統括メンバーからの情報発信に費やす時間が多くなっていたのですが、各ワーキングチームのスタンドアップミーティングという統括プロジェクトマネージャーと各ワーキングチーム単位で1回あたり15~30分というコンパクトな会議体を新設してからは、現場から課題をキャッチアップするスピードや内容の精度がぐっと上がりました。
実を言うと、週次定例の手法を変える提案をしてくださったのは梅田さんでした。必要以上に会議体が増えてしまいがちな大規模プロジェクトの中で、いかにして意味のある会議の場を創出していくかを考え、実行していくことの重要さを改めて実感しました。スタンドアップミーティングを導入したことで会議の数は増えたのですが、当初から効果が無ければすぐに廃止することも念頭にあったため、フットワーク軽くトライできる風土も当プロジェクトならではだと思いました。結果としてすぐに効果があり、特にワーキングチームからは情報連携がスムーズになったと好評でした。」
梅田氏
「『数日前に参加した社内研修で学んだミーティング手法が、今まさに進行中のプロジェクトに活かせるのではないか』と閃いてワークスイッチに提案したと記憶しています。突然の提案だったにも関わらず、ワークスイッチの皆さんは即座にプロジェクトに合う形にして提案を採用してくださいました。プロジェクトを円滑に推進していくために固有の手法に囚われず柔軟にやり方を変えていけるワークスイッチのスタンスにも助けられました」

写真:左から
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 仲川 由加里氏 パーソルホールディングス株式会社 梅田 愛氏 パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 望月 亮輔氏
今後の展望
梅田氏
「現在はバージョンアップ後の統合人事システムを活用したBPR推進に取り組んでいます。まだ自動化や効率化できる余地がある業務領域があるので、従業員やグループ各社の人事担当者の業務作業負荷を軽減させていきたいです。
近い将来には、グループ共通でのデータ集約・管理を実現する、グループ全社員が利用する共通タレントマネジメントシステムを導入する予定です。統合人事システムと連携させて、グループ内の人材データをより質感のあるものにしていければと考えています。今回の統合人事システムの大規模バージョンアッププロジェクトでも期待以上の成果をあげてくださったワークスイッチにタレマネ領域もご支援をいただいています。」
仲川氏
「ありがとうございます。私どもとしては引き続き、パーソルグループ全体に影響が及ぶ経営基盤を刷新するという緊張感を持ちながら伴走支援させていただく所存です」
梅田氏
「ワークスイッチの伴走支援が入ったプロジェクトは、私にとって多岐にわたる人事領域の知見を得られる良い機会にもなっています。業務面とシステム面の双方に精通している人事のプロ集団であるワークスイッチのお力添えをいただきながら、人事領域のシステムをさらに質の高いものにしていきたいです」

写真:左奥から
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 宮前 優里華氏
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 深田 紘氏
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 望月 亮輔氏
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 仲川 由加里氏
パーソルホールディングス株式会社 萩原 健志氏
パーソルホールディングス株式会社 三駄 直美氏
パーソルホールディングス株式会社 梅田 愛氏
総括
パーソルホールディングスの統合人事システム大規模バージョンアッププロジェクトでは、グループ30社やベンダーなど多数の関係者を巻き込む推進が求められました。ワークスイッチはPMOとしてこのプロジェクトの統括および業務ワークチーム別の進捗・課題管理を担うとともに、要件定義やシステム構築、運用フォローなどの工程も支援。システム保守期限を前に予定通りバージョンアップを達成し、その後も安定稼働を続けています。
今回のプロジェクトは、業務ワーキングチーム内の機能別チームの担当コンサルタントが高い専門性を発揮したことと統括PMOがチーム間にまたがる課題やタスクを早期にキャッチアップしたことで高い品質の成果を創出できました。ワークスイッチはクライアントの課題を自分事として捉えてプロジェクトに向き合い、関係各所と綿密なコミュニケーションを取りながらクライアントとともに目標達成を目指してまいります。

写真左から
パーソルホールディングス株式会社 梅田 愛氏 パーソルホールディングス株式会社 荻原 健志氏 パーソルホールディングス株式会社 三駄 直美氏
パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 仲川 由加里氏 パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 宮前 優里華氏 パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 深田 紘氏 パーソルワークスイッチコンサルティング株式会社 望月 亮輔氏