RPA導入で単純業務から高付加価値業務へシフト。 さらに企業は成長し、事業貢献へー
- RPAソリューション
- DX推進
- IT
- 業務推進
- 業務改善・業務変革
- 会社名
- パーソルキャリア株式会社
- 業種
- 転職サービス、キャリアアップ支援
- 規模
- 4,538名(2022年3月1日時点)
パーソルキャリア株式会社(以下:パーソルキャリア)は、パーソルグループの中でもいち早くRPAを活用し、定型作業の自動化を進めてきました。RPAのユーザーとなる各部署で働く人たちに対して、より『はたらいて、笑おう。』に繋がる仕事へ、という気持ちをベースに本プロジェクトを推進、大きな成果をあげています。現在、ワークスイッチでは更なるRPAによる開発を支援しており、その開発プロジェクトの中心メンバーの3名に話を伺いました。
- プロジェクト概要
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・RPA開発支援
・チーム内の派遣スタッフへのRPAの技術的なアドバイス
・環境やインフラの安定運用に向けた推進支援
・RPA開発業務における生産性向上の推進支援
関連サービス
導入ストーリー/インタビュー
インタビュー対象者
ワークスイッチのコンサルティングを受けた理由
左:パーソルキャリア株式会社 金田 直樹氏 右:パーソルキャリア株式会社 河野 未来氏
金田直樹氏(以下、金田氏)
「2017年頃の社内の勉強会で、『これからくるツールは何か?』という議題でRPAに注目が集まったことが弊社でのRPA導入のきっかけでした。手探りで導入をはじめ、当初使っていたRPAツールから、UiPathに切り替えるタイミングで、2020年度からワークスイッチに支援をお願いしました。
当時、開発スタッフが3名いたのですが、エラーハンドリングなど開発のお作法を個々人のやり方で進めている状況があり、保守工数が間延びしていたことから開発の標準化が主な課題と考えていました」
ワークスイッチのコンサルティングの強みと特徴
金田氏
「UiPath社からダイヤモンドパートナー(※)を獲得していることが強みだと思います。当初、CoE(Center of Excellence)、つまり中央でガバナンスを効かせた体制を作っていく上で、弊社ではガバナンス、インフラ、ナレッジが欠けている状況でした。
同じグループ内の企業ということもありますが、UiPath社から公式的に認められているという点から、我々に欠けている知識部分をサポートしていただけると考え、ワークスイッチに支援いただく判断をしました。また、弊社の取り組みへの理解のみならず、私たちの人となりも踏まえて、二人三脚といったスタンスで寄り添いながらプロジェクトを進めていただけたこともワークスイッチの特徴だと感じます」
――――――
※ダイヤモンドパートナー: UiPath社と直接取引を行っているリセラーの中で、最も高い技術力、サポート力を有し、UiPath製品の導入支援・販売実績の豊富なパートナー。(引用:UiPath パートナー種別ページより)
各課題と具体的な対応策
左:パーソルキャリア株式会社 吉野 明氏 中央:パーソルキャリア株式会社 金田 直樹氏 右:パーソルキャリア株式会社 河野 未来氏
2020年度当初、パーソルキャリアにとって開発ルール・アウトプットの標準化とCoEでの開発体制の強化の2点が課題となっていました。
金田氏
「まずは標準化に向けて、ワークスイッチにはUiPath社が公開しているガバナンス資料を我々の組織に適合させる形でカスタマイズしていただきました。また、CoE体制で推進していくために、まずは弊社の体制をアセスメントしていただき、改善ポイントの洗い出しと具体的な示唆を与えていただきました」
吉野明氏(以下、吉野氏)
「アセスメントによって、スケジュールと品質の2項目を大きく改善することができました。スケジュールに関しては、これまで概算で見積もりを行っていたのですが、開発工数が自動算出できるツールをワークスイッチに作成してもらうことで、より正確な納期を従業員に共有できるようになりました。品質に関しては、開発ルールを標準化し、それを浸透させることで、誰が見てもわかる、保守性の高いロボットが開発できるようになりました」
河野未来氏(以下、河野氏)
「ルールは作ったら終わりではなく、常にブラッシュアップしていくべきものです。現在でも、開発と並行して標準ルール・フレームワークを更新していただいています。しっかりPDCAを回していただき、寄り添っていただけていると感じているポイントの1つです」
2021年度になり、ロボットの数が増加することで新たな課題が顕在化してきました。
河野氏
「ワークスイッチにCoE体制強化と開発支援を続けていただく中で、2021年頃になると、すでにロボットの数が相当数になっていました。自動化できた作業時間が大きくなった半面、社内で行っていたエラー監視や、保守の工数が増えてしまい、新たな開発にリソースを避けないというジレンマを抱えていました。
そこで監視や保守の業務を、既存の支援とは別に、IAC(インテリジェントオートメーションセンター)というニアショアで保守・改修を行うチームが対応する、UiPath運用保守サービスを活用することになりました」
金田氏
「UiPath運用保守サービスを行うIACと弊社の間にワークスイッチが入り、支援を続けていただきました。サービスの適切な活用方法を私たちの目線に立って考え、弊社の持つインシデント管理、問題管理、変更管理などの規定に沿ってIACとの仕組みを構築していきました。結果、エラー監視や保守の課題が解決され、新たな開発にリソースを割けるような体制にできたことで現在では、ほぼ全ての部署でRPAを導入している状況です。
初期の頃の立ち上げ期の支援と、現在のようなスケール後の支援で課題が変化していきました。同じ形の支援を続けるのではなく、フェーズに合わせて具体的な示唆をいただき、まさにワークスイッチから寄り添う形でのご支援を続けていただいていると感じます」
その後、保守の問題が解決されたことで、社内全体にRPA導入が広がり、より大きな効果を期待できるロボット開発が進んでいきました。
河野氏
「大きな事例としては、dodaの人材紹介事業で、候補者を企業へ推薦する業務の代行ロボットがあります。ATSという各企業の採用管理システムへ候補者の書類や情報を登録する作業をRPAが行っています。以前は、全て人手でやっていたのですが、今ではその一部を自動化して効率化を図ることができました」
吉野氏
「どれも我が子のようにかわいいロボットです(笑)。1つチャレンジした事例として、RPAとAPIを連携したものがあります。面談の日程調整をスムーズに行うために、該当部門で活用しているSaaSとRPAをAPI活用して裏側で連携し、データのやり取りを円滑にするロボットを制作しました。その結果、面談の希望時間と担当者の空き時間の照合、メール配信後のリスケ対応などの一連の流れがスムーズになりました。処理速度が飛躍的に上がり、効果の大きい印象的な事例です」
導入効果と今後の展望――
支援テーマと効果・体制
金田氏
「RPAを活用することで、2017年から2022年末現在までの累計で、約16.2万時間の作業時間を自動化し、金額に直すと約3億7千万円分の効果を出すことができました。シンプルオートメーションの積み重ねで効果を出すことはできたため次のステップを見据えています。自動化そのものをレベルアップしつつ、ロボットと別の何かを組み合わせる、ハイパーオートメーションを更に進めていきたいです。RPAとチャットボットの連携、RPAとAIの連携のような形を使い、この世界での実績を伸ばすことにチャレンジしていきたいですね」
RPA導入から今までを振り返った上で、金田氏からのお言葉をいただきました。
金田氏
「誤解を恐れずに言うと、当社の社内では単純作業などを嬉々として行っている方は少ない印象です。なので、私はそのような仕事を各現場から自動化で減らしていきたいと思っています。パーソルグループのビジョンは『はたらいて、笑おう。』ですから、より自分たちが楽しんでできる仕事を、よりお客様の笑顔を増やすような仕事を、とシフトさせていきたいです。特にRPAの黎明期には、世間一般で『RPAは人員削減に繋がる』というネガティブな捉えられ方をした時期もありましたが、『自分がこの仕事をしたい』&『もっとこう改善したら役に立てる』と思うような仕事は、気持ちも良く、やる気も出て、成果も出る。そんな仕事を増やしていくことを支援したいと考えています。
実際に弊社の例では、企業として成長し人はむしろ増えています。事務作業などから解放され、より多くの転職者の皆さんへのキャリア支援に時間を割けるような、測定できない相乗効果も生まれていると考えています」
総括
社会のトレンドをキャッチアップし、いち早くRPAの導入に舵を切ったパーソルキャリア株式会社。同社では、よりRPAの導入効果を広げるための運用を進めるべく、ワークスイッチのコンサルティング支援を導入しました。
既存のサービスやマニュアルを個々の会社の規定や人柄、課題に合わせながら寄り添う形での支援を継続することで、結果を出し、影響範囲を広げていく。人間らしい業務に割ける時間を増やし、はたらき方の転換を進めていくことをワークスイッチは今後も続けていきます。
左:パーソルキャリア株式会社 お客様一同 右:パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ワークスイッチ事業部 コンサルタント一同